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執筆者の写真ビオラボ

ビオラボ主催第1回研修会「子育てとトラウマ」終了後レポート

2022.9.4ビオラボ初の研修会が開催されました。

第1回の研修会のテーマを「子育てとトラウマ」にしたのは色々な思いがあってのことです。現状、「発達障害」という言葉が先行し、その子、その人の気持ちや行動の背景にある感情が軽視されがちだと思っています。また、愛着形成は親子の間の関係性によって構築されるもので、いくつかにパターンかされて述べられることが多いのですが、関係性はそんなに単純なものではありません。保護者の方々のトラウマが子どもとの関係性にどのような影響を与えるのかを考えることで、より関係性を理解しやすくなり、また子どもの心の世界も理解しやすくなり、支援が行き届きやすくなると思ってのことでした。


主催の中村と研修会係の飯野、他スタッフで事前リハーサルをしておりましたが、当日は初めてのこと、開始前スタッフは緊張気味でした。


研修会に参加してくださる方がリラックスして参加できるよう、手作りの名札を用意しました。

研修会がスタートすると、大橋先生はとても柔らかい雰囲気を醸し出してくださり、またご講演の内容が臨床や日常でのことを想起しながら聴くことのできる内容だったため、時間を忘れて集中して拝聴しました。事例もわかりやすく示唆に富むものでした。もう少し事例を聴きたい気持ちがありましたが、時間が足りず残念でした。


ご講演を聴いた感想としては、「孤立しないこと、孤独感を抱くような環境にしないこと」がとても心に染み入りました。また、2021年に岩田先生たちが調査された結果のご紹介がありました。生後3ヶ月の赤ちゃんと接する場合に「お腹が空いている」「暑い」「おむつが濡れている」など”生理的状態”に敏感な場合に母子のやり取りが調和的であるということは、なるほどなと思う内容でした。

ご講演の最後、「Sympathy」と「Empathy」の違いをお話くださいましたが、今後の臨床に活かせると思い感動したほどでした。


指定討論の伊澤先生はご自身の経験からお話くださいました。子育ては環境が大切だけれども、社会的変化に伴い子育てのあり方も変化していること、保育の現場も変化していることをお話くださいました。また、その子その子の特性を活かし社会でどう生きていくのか保護者と一緒に考えることの重要性もお話くださいました。


当オフィス主催の中村は、保護者と子どもとのすれ違いに言及しておりました。愛情をたっぷりかけているのに、子どもが受け止められる方法で伝えられず、愛情がたくさんあるがゆえに子どもの成長に気がつけない場合があると話していました。


お二人のお話を受け、大橋先生はインクルーシブ教育について言及され、障がいをもっているお子さんよりも、そうではないお子さんの方が良い影響が受けられるということを教えていただきました。


研修後は、参加者からたくさんの暖かいお言葉を頂戴いたしました。講演に加え事例検討も行ってほしいとのご希望がありましたので、次回に向けて準備したいと思っています。

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