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ゲーム依存について

思春期に入る頃、精神疾患の発症率が上昇することは広く知られています。依存症、特にゲーム依存もその一つです。現代社会で増加傾向にあるゲーム依存は、ひきこもり問題とも深く関連しています。ここでは、依存症の特徴と対応法などについてご紹介します。

◎依存症の種類

依存症とは、特定の行動や物質に対するコントロール不能な欲求と、それに伴う精神的・身体的な問題を特徴とします。依存症には以下の種類があります


物質依存:アルコールや薬物など

行動依存:ギャンブル、ゲームなど


ゲーム依存は行動依存の一種であり、日常生活に大きな支障をきたす場合には「精神疾患」として診断されます。


◎ゲーム依存の治療法

❖ 心理療法:カルンセリングや認知行動療法(CBT)などを通じて、依存行動の根本原因を探り、対処法を学びます。

❖ 薬物療法:場合によっては、抗うつ薬や抗不安薬を用いて、併発する精神症状を緩和します。

❖ サポートグループ:同じ問題を抱える人々と支え合うことで、孤立感を減らし、依存からの回復を目指します。


◎対応方法

ゲーム依存で困っている方への対応方法ですが、依存の程度によっても異なります。まずはどの程度ゲームに依存しているのか検討します


【依存の程度】

A. 現実逃避的にゲームを用いてストレスを解消しているが日常生活に支障はない

B. ゲーム時間が長くなり、やるべきことを後回しにしている。日常にゲームが侵食している

C. 日常生活に支障が生じ、睡眠や食事にも影響が出ている。ゲームを止めたいがやめられない

D. その他の状況


◎支援のポイント


依存症の治療についてはご本人の依存から脱却したいという強い意志が重要です。ご本人が治したい、変わりたいと思うことが大切です。ご家族のみで話し合うことはとても難しいと思いますので専門家にご相談ください。


上述した依存の程度に対する支援のポイントは以下のとおりです。


※A/Bレベルの場合

ストレス解消法を見直しましょう。ゲーム以外の楽しいこと、興味を引かれるものを見つけます。また、ストレス源を把握しましょう。根本的な原因を理解し、行動を変えていきます。信頼できる人や専門家に相談してください。


※Cレベルの場合

医療支援が必要です。心身両面への影響を考えて医療につながることを考えてください。薬物療法や行動療法を検討した方がよい時期だと思います。

睡眠や栄養など心身ともに心配な状態ですので医療機関の受診をめざしましょう。


◎周囲の対応

ゲームばかりしていると、制限をかけたりゲーム機を取り上げるのが最良の方法ではないかと思いますよね。ただ突然ゲーム機を取り上げても問題は解決しません。まず、ご本人に治療の意思があるか確認し、意思がある場合は適切な支援を受けることが大切です。治療意欲がない場合は、体が心配だからとの理由で病院を受診することを話してみましょう。


まずは本人がどのような状況なのか理解することも大切です。以下の本などを手に取って読んでみてください。


吉川 徹『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 』


吉川先生の本は読みやすく分かりやすくてお勧めです。


◎生活改善のために

依存気味の場合、生活改善を目指しましょう。活動記録表などを利用して、どのくらいの時間をゲームに費やしているかを可視化すると、改善点が見えやすくなります。


まとめ


依存の程度、本人の困り感、本人の治療意欲をまず検討し、それに応じた支援方法を選ぶことが重要です。依存症は一人で克服するのは難しいため、周囲の協力と適切な支援が必要です。


本人だけでなく、ご家族が疲弊してしまい毎日過ごすことが辛くなってしまうこともあります。ご家族へのケアも大切ですので、ご家族だけでも専門家に相談してみてください。

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